[レビュー] Campfire Audio Taurus

イヤホン

こんにちは。

今回はCampfire Audioのmultiverseイベント限定イヤホン

「Campfire Audio Taurus(キャンプファイヤーオーディオ トーラス)」

についてご紹介します。

2年ぶりのmultiverseに加えて、手の届く価格帯だったので購入しました。
Orionのアップデート版とのことなので、Orionの音にほぼ近いGlo-rionとの比較もしたいと思います。

概要

Campfire Audio Taurus について

このイヤホンは、2024年11月中旬にCampfire Audioのmultiverseイベントで販売された期間限定商品になります。

今年で3回目の開催であるmultiverseイベントですが、今回はなんと日本でも販売されました。
販売元は公式代理店のミックスウェーブです。

「Taurus」はスピード、ディテール、解像度、バランスを重視したチューニングが施されたフルレンジデュアルバランスドアーマチュアを搭載。軽量なアルミシェルを採用し、人間工学に基づいた最新のスタイルでスタイリッシュなモデルです。

Campfire Audioチームは、マルチバースの旅の中で、過去のモデルであるOrionのエッセンスを、現代に呼び起こしました。スピードとパワーは、Campfire Audioの最新技術によって改良を重ねたファセットシェルデザインに収められています。ハイエンドのフルレンジBAドライバーを2基搭載。高速でありながらまとまりのあるバランスの取れたサウンドが、鮮明なディテールとリスニング体験に多様性をもたらします。

(引用元: ミックスウェーブ公式サイトhttps://mixwave.jp/collections/campfire-audio-multiverse/products/taurus)

2BAの完全新規イヤホンです。

公式の説明によるとOrionの要素が入っているようですね。

価格帯から見ても、現代版Orionをイメージして製作したのかと思います。

価格


ミックスウェーブオンラインストアの販売価格は¥57,200(税込)
海外価格は349ドル

商品単体の価格は海外公式サイトの方が安いですが、送料と税金、また手数料等も含めるとミックスウェーブで購入した方がお得に買えます。

Campfire Audio Black Taurus レビュー

パッケージ

底面は保証書とクリアポケットが貼り付けてありましたが、気合でなんとか取り除きました(笑)
BlackStarの記事でも書きましたが、この仕様は本当にやめてほしいです。

おそらく保証書紛失防止なのでしょうが、他の方法で解決してほしいです。

外観。

開封すると箱の裏側にメッセージが書いてあります。

付属品

  • Time Stream Cable Metal 3.5mm
  • Breezy Bag Jr (画像中央上)
  • Breezy Bag Micro (画像中央下)
  • イヤーチップ (シリコン、フォーム各3ペア)
  • クリーニングツール (ブラシ、クロス)
  • ピンバッジ
  • 保証書

Breezy Bag Jr

収納ケース。

Breezy Bag Micro(付属品写真の中央下のイヤホン保護ポーチ)を大きくしたような感じの物ですね。

イヤホンとケーブルを入れたらちょうどいいくらいの大きさです。

こちらのケースは単体でも購入販売されています。

イヤーピースはfinal製の物を除いたいつものラインナップです。

最近のモデルではクリーニングツールにクロスが追加されています。

Breezy Bag Microはcampfire audioのイヤホンを買えばほぼ付いてくるいつものメッシュポーチです。
ややサイズが小さかったり縫製が異なるように思いますが、大体同じです。

本体

筐体は削り出しアルミニウム。

現行製品であるAndromeda Emerald SeaとFathomと同じ筐体だと思います。
旧型のシェルはネジの付いた角ばった形でしたが、こちらはネジはありません。

デザインは本体・パーツ共にシルバーでまとめています。
なんとなくNovaっぽいですね。
低価格とはいえ、Andromeda Emerald SeaとFathomと同様に高級感があり、クオリティも高いです。

旧型のシェルと比べると少し丸みがあって小ぶりになっているため、装着感は良くなりました。
旧型シェルの角ばった部分が耳に当たって悪いと感じていた方は、こちらのシェルだと大丈夫かもしれません。

ケーブル

Time Stream Cable Metal 3.5mm

ケーブル胴体は銀メッキのエナメル銅。
平たいフラットなケーブルなので、絡まりにくいです。

campfire audioの標準ケーブルです。
高価格製品ですとバランス接続端子の物も付属されています。

エントリー(色々値上げしている今となってはミドル帯ですが)機種にも高価格帯機種の付属品が付いてくるのは嬉しいですね。

こちらのケーブルはBreezy Bag Jrと同様、単体でも販売されています。

スペック

スペックCampfire Audio Taurus
筐体素材アルミニウム
ステンレススチール製ノズル
ドライバー形式バランスド・アーマチュア・ドライバー型
ドライバー数フルレンジバランスドアーマチュアドライバー×2
周波数特性5Hz – 18kHz
入力感度94 dB@1kHz:9.395mVrms
インピーダンス21.2Ω@1kHz
入力端子3.5mmミニ端子
イヤホン端子MMCX
付属品Time Stream Cable Metal 3.5mm
Breezy Bag Jr.
Breezy Bag Micro
イヤーチップ(シリコン、フォーム)
クリーニングツール
保証期間1年間

レビュー環境

今回のレビュー環境は以下の通りです。

DAP…SHANLING M5 Ultra (SHANLING)
イヤホン…Campfire Audio Taurus
ケーブル…Time Stream Cable Metal 3.5mm
イヤーピース…付属シリコンイヤーピース
楽曲ジャンル…アニソン、ロック

今回は付属のシリコンイヤーピースでも問題なかったので標準構成で試聴しました。

詳しい楽曲や私の好みなどについては過去の投稿にまとめてあります。

音質

Radar Chart Small Multiples

解像度の高い現代版Orion、全体は穏やかだが音をしっかり拾うバランス型イヤホン

毎回ポエムっぽい書き方をする公式サイトの商品説明ページですが、今回は珍しく説明通りの音だと感じました。

全体の音のバランスはフラットに近いかまぼこ型です。
2BAなので迫力も控えめです。
ボーカルはほんの少しだけ明るいです。

音場の広さは普通です。奥行がそれなりに感じられますが、平面的で横に伸びている印象です。空間はやや透明感のある感じです。残響はほどほどで、キラキラ感は抑えめでスゥーッと消えていきます。

音のディテールが細かくクールな要素も含んでいますが、穏やかなバランスに仕上げてあり聴きやすい音です。

少し驚いたのが高価格のBlack Starと同様に、小さい音のディテールもしっかり表現している点です。

さすがに音の詳細な表現力はBlack Starに劣るものの、2BAでも音の立ち上がりはよく、高いレベルの音像描写には感心しました。
現代のCampfire Audioの技術が生かされていると感じます。

バランスの取れたサウンドなので、極端に相性が悪い曲は少ないと思います。
ただ量感は抑えめで、誇張が少なく煌めいたような音ではないので、激しく元気な曲や楽しい刺激が欲しい方にはもの足りないサウンドかと思います。

低音は重低音ほどではないですが立ち上がりは早く、2BAにしてはそこそこ厚みがあります。

中音は他音よりやや量感があり、ほんのり光る感じです。
ボーカルは息遣いがしっかり感じられます。

高音は質・量ともに控えめな量で、後半の伸びも小さく自然に消えていきます。

Campfire Audio Orion ‘Glo-rion’との比較

TaurusがOrionの要素も入っているとの事なので、手持ちのGlo-rionとも比較してみました。

本来のOrionとは違うケーブルで製造年も離れていますが、大きい違いはないと思います。

DAP…SHANLING M5 Ultra (SHANLING)
イヤホン…Campfire Audio Orion ‘Glo-rion’
ケーブル…Smoky Glow Litz Cable 3.5mm
イヤーピース…final type-E
楽曲ジャンル…アニソン、ロック

ケーブルは互いのを交換せず、純粋にそれぞれの標準構成で試聴。

全体的なバランスはどちらも似ており、まとまりのある良い音です。ですがGlo-rionはやはり1BAだけなので、様々な点でTaurusとは表現力に違いがありました。

Glo-rionの方はTaurusと比べると

  • 音が全体的に丸みがあって薄い音、Taurusは四角ぽくて厚みもややあり
  • 音の立ち上がりと残響もゆっくりで丸みがあり、さらに穏やか
  • 音場は平面的で一直線
  • 迫力もさらに抑えめで優しい音
  • 音像はぼんやり
  • 音の表現力、主にピアノなどの中音は劣る

ただ女性ボーカルの距離感はGlo-rionの方が近く、リケーブルした際はGlo-rionの方が女性ボーカルに魅力を感じました。

Taurusだと距離が少し遠いうえにやや曇った感じもします。
ぼんやりした雰囲気と中音にスポットを当てているGlo-rionの方が幻想的な要素もあり、魅力を感じるのでしょうか。

それぞれの機種を比較してみて、昔と今のcampfire audioの音作りのイメージが伝わってきて楽しかったです。

まとめ

総合評価…4.1点/5点

メリット(長所)
  • 穏やかでありつつも解像度、音像の表現力が高い現代的なサウンド
  • バランスの取れたサウンドで聴き疲れせず、曲の全体像が楽しめる
  • 上位モデルと同じく高クオリティの筐体
デメリット(短所)
  • おとなしいサウンドなので、激しい曲が好きな人にはつまらない音に感じる
  • キラキラ感は弱く、CAの美音の要素は少な目
  • 物価が高騰しているとは言え、少し高めの価格

multiverseイベントでこの機種が発表された際、真っ先に購入しようと思っていました。

お気に入りのイヤホンのアップデート版であること、手の届く価格で限定品とくれば買わずにはいられませんでした(笑)

欲を言えばDark Star、Claraが欲しいんですが予算だったり情報が少なかったりで断念するしかありません・・・。

正直、音だけ考えるなら他社の製品なり同社の高価格帯の中古を買った方が良いと思います。
ですが、久々に登場した無理せず買える金額のCAの限定製品でしたからね。
あと音はそれなりでも、かっこいいデザインの筐体や付属品のクオリティはやはり高級メーカーだけあって高レベルでしたので所有欲は満たせましたし、満足度も高いです。

おすすめというほどではないですが、現代のcampfire audioの技術を手軽に感じたいなら一つの候補になる機種だと思います。

限定なので試聴できる機会は少ないと思いますが、気になった方はぜひチェックしてみて下さい。

以上、イヤホンのレビューでした。


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